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わたしがわたしに出会うこと。福祉のはじまりはそこにあるのかもしれない。

 今年度、中心的なメンバーとして「ミーツ・ザ・福祉」に関わらせていただいている藤本です。

 ぼくが語れることは多くありません。障害や福祉の専門家でもありません。このブログも何度も書いては消してを繰り返しました。

 だけど、このイベントを通じて確かに心が揺さぶられた瞬間がありました。仕事で涙が出そうになったことは独立してから2年、まだありませんでした。

 明日を迎えるまで、すべてがうまくいってるわけではありません。難しいことやできていないこともたくさんあります。自分の力不足を感じることも多々あります。悔しい思いもしています。

 そういう中で、障害のあるメンバーが「誰でも(障害者でも健常者でも)失敗するさ」と言ってくれました。ぼくにはなぜかその言葉が刺さりました。

 なんだかそれまでは、本当の意味で彼とつながれていなかったように感じます。ぼく自身、どこかで彼と自分は違うんだという意識があったように思うし、なんだか違う世界で生きているような気がしていた。しかし彼の言葉は「ぼくもあなたも一緒だからともに頑張ろうな」と言っていた。少なくともぼくにはそう聞こえた。

 距離を取っていたのは自分なのかと思った。

 違うとか同じとかにこだわっていたのは自分なのかと思った。

 人間としてきちんと対峙できていなかった自分を恥じつつ、でも認めてもらえたようでうれしかった。

 この一連のプロセスが本当に面白い。どんなゲームよりも、どんなテーマパークよりも、どんな小説や映画よりも面白いと感じる。

 だからごく単純に、それをみんなと共有したいなと思う。自分が変化していくこと、あるいは深いところの自分に気がつくことは面白いことだと思う。そして、だれかと一緒に心を通わせながら何かをつくっていくことは面白いんだと。それは、障害があろうがなかろうが、そうなのではないかと。

 福祉にミーツするということは、なんだろうか。それは、自分自身にミーツしていくということなのかもしれない、とぼくは思う。自分自身の気づかなかった部分や可能性にであっていくこと。想像力が広がること。それはきっと、その人の生きる豊かさを広げて、深めていくように思う。

(文・藤本 遼)