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「誰にとっても暮らしやすいまち」ってなんだろう。

こんにちは。事務局の太田です。

いよいよ、ミーツ本番が近づき、小さなことから大きなことまで、バタバタと準備と作業に忙しい日々を送っています。

そんな中、とあるやり取りと事務局会議でのワンシーンがパッとつながった瞬間があり、ミーツに関わる皆さまに、その体験をご紹介しつつ、私の中の小さな気づきを共有したい気持ちになりました。

1つは、聴覚障害のある方から、

店舗を出す方にお願いしてほしいことあります。聞こえる人、話せる人前提で来られていると思うので、「聞こえに不自由のある方および、話すことが不自由な方が注文しやすいよう、メニュー表のようなものをつくり、指差し等で注文しやすいように配慮をお願いします」と通知を回してもらえますか。

という、ご提案をいただきました。言ってもらって初めて「なるほど!」と思いました。

日頃、自分の事業所のヘルパー活動で関わりのある利用者さんには聴覚障害のある方は居ませんが、聴覚障害のある方目線で「こんな工夫があったら嬉しい」と教えてもらったことは、ウチの言語での伝達が難しい利用者さんにも喜ばれそうなものでした。

また、同じく視覚障害のある方へ向けての工夫としても、

「点字メニューがあるといいのでは?」

というご提案をいただいたので、実際に視覚障害のある方にご相談したところ、

「個人的には活字のメニューがあるなら点字で欲しいと思っている」

ということを教えていただきました。

その後、他にも点字での表現が必要なもの、不要なものは何かという相談を続けていく中で、ミーツ当日ステージで踊るテーマソングの歌詞についてもお聞きすると、

「歌詞や詩は詰めて書けないので行数がいります。点字は1ページ17行しか使えません。当日、点字歌詞を読みながら歌える人は半分ぐらいだと思われます。あとの人は先読みしていただくほうが有効です。」

ということを教えていただきました。

その時も「なるほど!」「へぇー!!」と思いましたが、スタッフ数人にそれを伝えて、どうするのがいいかを相談したところ、

全体的な当日の役割分担が決まらない中、その役割を新たに設定することができるかなぁ?という懸念が上がったり、何か他で代用できる方法はないかなぁ?という話に発展したりで、イマイチ決定打にかける相談になり、ぼんやりと「どうしたらいいかなぁ?」と判断材料を探す時間が続いていました。

そんな時間を過ごした後での、2つめのエピソードなのですが、先日の事務局会議でのこと。

たまたま、「テーマソングができたことやし、今歌ってみよう!」という時間があり、みんなで実際に歌ってみた時、

ふと(半ばふざけて)、みんなが歌う前にリードすべく「先読み」をした人がいました。それも、けっこう上手に!

すると、それが思ってた以上に歌いやすく、まだまだ覚えていなくて歌える自信のなかった人や、そもそも歌うことに自信のない人まで、少なくとも、その場に居た人は全員が歌いやすくなる現象が起こりました。かつ、すごく盛り上がったし、楽しく歌うことができたようにも感じました。

その後は、たまたま「先読み」をしてくれたスタッフに、当日もステージ上でそれをやってもらうことが決まりました。

日頃、月と風との活動では、障害のある方が暮らしやすいまちは、誰にとっても暮らしやすいのではないか。というイメージを持って取り組んでいます。

今回のエピソードは、私の中で、リアルにそれを体験できた瞬間でした。

また、暮らしやすいまちをイメージする時、最初の一歩として、いろんな人がそれぞれの思いを自分以外の誰かに伝えることができることが、それに近づく何かを動かすのだと思っています。

だけど、自分の場合、たくさんの人に向けて自分の思いを発信する時には、すごく勇気がいります。きっと私以外にも、そういう気持ちになったことがある人が、少なくないような気もしています。

今回、障害当事者のお二人が、それぞれの目線で思うことを伝えてくださったこと、それによって、改めて大切に思っていることを実感できたこと、本当に良かったなぁと思いました。

ミーツに関わりはじめて、たくさんのつながりができました。

今回のエピソードのように、自分の思いを伝えてくださる方、作業のボリュームを思ってお手伝いを申し出てくださる方、ねぎらいの言葉をかけてくださる方。

本当にたくさんの方との出会いがあり、私の日常には、小さな気づきや感動が、日々散りばめられるようになりました。

ぜひ、ミーツに関わる皆さんにも、そんな感覚を味わって欲しいと思いますし、それがイベント準備だけではなく、自分自身の日常につながっていく人が増えたらいいなと思っています。

当日が、とっても楽しみです♪

(文・太田豊湖)