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視覚障害者・かめやまなおみが考えていること。

 水仙と梅と同率一位で好きなキンモクセイの香りが去ってしまった10月下旬に、この原稿を書いております。身体的には寒さを実感しますが、だからこそ精神的に感じる暖かさが身に浸みます。その最たるものの一つがお祭りだ!と、ミーツ・ザ・福祉の開催に胸躍らせている亀山です。

 今回皆様にお伝えしたいことは二つ。このお祭りが、驚きと笑顔溢れるワクワクな場所になるだろうという予報と、人の力ってすごいんだよという、これだけ聞いたら急になに言わはんのんという私の気づきについてです。

 私は去年、尼崎市に引っ越して来ましたが、今年になってこのお祭りの存在を知りました。時々小学校のお手伝いをさせてもらうのですが、その活動の関連でいつもお引き回し下さる方からご紹介いただきました。感謝。

 さて、私はわりと日常的に、ちっちゃな引け目やコンプレックスとお付き合いしながら暮らしておりまして…。駅で券売機がタッチパネルだったり、トイレが見つからなかったり、スーパーでうっかりやわらかトマトに指刺し攻撃をしかけてしまったり、学校で教室変更に気づかなくて遅刻したり。命に関わる重大事じゃないんだけれど、助力を受けるために人に声をかけるのが難しかったりすると、泣きが入るような生活のプチトラブルですね。

 健常者さんだったら苦労しないだろうになー、イレギュラー労働でHP減ったー、とプチ凹む。一瞬でスクイーズのようにばにょーんと戻りますけどね。いつも人々のお力添えをいただきながら暮らしている私にも手伝えることがある。障害者と健常者の力が合わさって成り立つイベントがある。そのコンセプトが私に与えた充実感を、いったいどんな文章にしたら読者様にお伝えすることが出来るでしょうか。

 そして、このお祭りの実行委員会に参加した私、一つの気づきを得ました。実は障害者、特殊能力者じゃないか?心身の一部が欠損したなら、それを埋めようと作用するのが生き物の本能。ならば、私たちは平らできれいな板じゃなくて、凹凸激しい木片なんだ。でも、板だけじゃ本棚は作れないよね。という、激しく自己肯定な思い込みに至りました。てへ。

 なので、健常の皆さんにも、障害の皆さんにも、今までの人生で出会わなかった特殊能力を発見し、自分の潜在力の開花にお役立ていただければ幸いなのです。人の筋肉や神経って、定期的に磨けばどんどん進化するんです。怠れば退化するんです。ずっと口角を揚げて過ごせば、引き締まって小顔になるんです。加齢なんて関係ないんです。総合的には、瞬発力とか骨密度とか関係してきますけど、そういうアスリート的な話はともかく、早口言葉もギターの調律も小銭の聞き分けも。他にも私の知らない超能力が幾つも見られるでしょう。人間って悪くないじゃん。自分もちょっと試してみる?そんな、ルーティーンに色を足す面白さをお土産にしてもらうべく、スタッフは日々奮闘中なのです。

 このお祭りには幾つもの企画があります。そのどれもが、健常と障害の持つ能力を合わせて成功することを願って立案されたものです。力を合わせて前進する楽しさを味わってほしい。小さな独り一人が合わさって何倍にも何重にもなる空間を目指しています。綿菓子のように、雪だるまのように、優しさが優しさを呼ぶ、元気が元気を呼ぶ、そんなお祭りになりますように。

(文・亀山なおみ)

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